18きっぷ<番外編>全国乗り潰しの旅 ウラのウラ
日本各地、2020年の今日は、何処に行っても5月の1日、メイデイ、皐月である。甍の波と雲の波に、鯉たちが泳ぎ、八十八夜の別れ霜、茶摘みの季節。いつもなら、晴上がった藍空の下で、潮騒を聞き、フィトンチットを浴びて、生きてる証拠を確認している1番いい季節である。but しかし no。 今年は「コロナのGW」そこで本日は昭和の旅人が、これまでの「18きっぷで行く 乗り潰しの旅 舞台ウラ」を総めくり。 読み終わったからと云って「外へ出かけてはなりませぬぞ 御同輩」。
さて、先ずは何処へ行くべぇか?「行き先」が決まらないと「先行き」が軽くヤバイ。寅さん同様、春には桜が咲き、夏は大自然に恵まれ、冬は暖かい風呂がある処、そういう日本の何処かを探してせっせと出かけて行く、飽きもせずに。狭い日本 何処へ行っても北と南、結局の処ぐるっと廻って花のお江戸に帰ってくる訳であるが、このぐるりのもってきかたで、旅の楽しみは大きく変わる。同じ路線に乗っても、右と左、朝昼晩、同行する人によっても目に映る景色は甘くも辛くもなる。馬は同じ道を往復すると云う。人間様はそれではおもろうない。同じ行くなら少ない予算で、限られた時間を目いっぱい使ってその旅行を楽しむのが「18きっぷ」の究極の目的、お金を使えばある程度は楽しめる、が、それは考えない人の旅である。さぁ、行き先が決まったら次なる動きは「行程の割り振り」である。朝は余り早く起きたくないし、かといって陽のあるうちに宿へ入りたいしで、1日の乗り継ぎを無駄なくつないでいくのも、匠の世界、それでは旅のゆったり、まったり感がなくてとの御指摘には、行きあたりばったりでは、その日の「つもり」が列車の見過しなどで、大きくはずれる事がある。このはずれを無くすためにある程度乗る電車を想定、これに基ずいて出発進行。後はおぼろ~ ではなくお任せである。移動時間が即ち「18きっぷ」の醍醐味、ただ座席に座って流れる景色を見て居る。「狭い日本 そんなに慌てて 何処へ行く」 こうした愛好家を仲間うちでは「乗り鉄」と呼ぶ。しかし、計画通りに行かない場合も沢山ある。こちらの見落としかあちらの告知不備で何もない(襟裳岬ではない)駅で、たっぷりと待たされる事もある。何をすべぇ?駅舍のポスターを、眺めるのではなく丁寧に読み、それも飽きるとその辺りをお散歩、日本の駅前はどちらさんも以下同文。後はただひたすらに待つ。待つのも人生、待たせるのはJRと、好きな女と相場は決まっている。
さて18きっぷは5枚綴り、御1人様の場合、通常1日1枚使用するから、全部使おうと思えば最低でも4泊5日の旅となる。従ってホテルの予約も4日分。大体、慣れてくると1日の行程がおおまかに読める。それにあわせてホテルをとる訳であるが、この予約も匠の世界。費用とグレードのせめぎあい。原則その地域の中核都市に立地する、ビジネスホテルを取る。その理由、こうした地域は競合店が多く、従って競争も激しい。それが客にはいい。値段の割には、グレードが高い部屋が予約出来る。しかも昭和の旅人は駅近をさがす。シングル、朝付き、禁煙、大浴場がついていると尚いい。問題の御予算、¥4500~¥6000まで。京都、神戸などはこの予算では御無理なため、京都なら奈良か大津寄り、神戸なら姫路寄りと少し場所をずらすと、意外といいホテルが、安くとれることが多いからお試しを。人間動くと腹が減る。動かなくとも時間がたてば腹はすく。朝食はホテルのブレークファスト。大体がトレイを持ってのセルフ方式バイキング、好きなだけ好きな物が選べるから無駄がない。たまに、ホテルや作る人によってか味噌汁や漬物など、東京では味わいられない独特の味、逸品が提供され、何度も足を運ぶ事になる。何処も珈琲以外は、持ち帰りは御遠慮だが、ゆで玉子をひとつポケットに頂く事がある(玉にね)。少し乗った後、熱い缶コーヒーなんかと、チコッと醤油をかけて食べる。これも小さな至福の時間、もうひとつ頂いてくればと反省しきりとなる。朝が過ぎたらお昼の時間。働いていないから「サラ飯」とは云わない。昔はよく駅ホームの立ち喰いで先を急いだが、最近こちらの品々、地方、内容の割には御値段がじわじわと上昇気味、お江戸のほうがまだ安い。ここで実感、食べ物に関しては「東京が1番安くて旨い」物を提供してくれる。ローカルでランチを食べようとしたら至難の技、諦めた方がいい。その教訓から、前日地元スーパーで仕入れた地元特産の〇△弁当をなるべく 座席を一人占めにして(失礼)、足を向こうにやっと引っかけ、その上に弁当を載せ行儀よく頂く。変わる景色が最高のレシピとなる。
さて晩餐会、今夜のメニューは何にすべぇ。おじさん達と一緒の旅では、居酒屋か飯屋、それも落ち着かない時は、地元食品スーパーで食材、ビールなどを購入、我が部屋のシングルベットの上に、新聞紙を敷いての宴会となる、勿論、風呂に入り明日の用意をしてからだから、時間的制限なしのエンドレスとなる。ビールはすぐ底をつき追加。おじさん達の会話は繰り返しのリピート版、前の旅で聞いたネタが今年も流れる。♪昔の名前で出ています。「他の女性(ひと)の話もしろよ」と、ネタにこだわらなければ、心地良いBGMである。明日も天気だ ビールが旨い。こうした「18きっぷでゆく 全国乗りつぶしの旅」が、明日も続く。エンドレスに。 「ビジネスも 寝ればスイート ベルサイユ」
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