第8章 下り酒と下らぬ醤油
花見で一杯 月見で一杯。酒の暦は人生の暦 呑んだ数だけ人生越える。
酒なくて 何の人生 花が咲く。一杯一杯 また一杯。
「下る」と云うと言葉の意味合いからして余りいいイメージが湧かない。一番の例が「人生の坂 を越える」である。峠は山を上がって下るもの、この人生峠下りようによっては、いろいろな世界 が見えてきて面白い。人生と絡み合うのはやはり酒である。
明治維新までお上(天皇)は奈良、京都におわされた。お上は国家権力の最高責任者、従って何 をするにも上意下達、お上の裁量、気持が名目建前上は国を動かした。人、物においても上る、参 上、上納等と云った表現を用い、京都市内でも何々上ガル、下ルの地名が使われている。維新からこっち、明治になってお上は江戸城に住まわれる。東京城から皇居になって明治一五〇 年、今や東京が日本の中心である。中央政権から地方交付税が交付され、道路や鉄道も東京行きは 「上り線」である。JRに青春 18 切符がある。ローカル線を旅してると、駅ホームで「上り~ぃ○ ○行き~」とくる。この「上り~ぃ」の根拠がイマイチ合点いかない時がある。平野部での河川の 上流、下流と同じである。どっち方向が上か下か、勿論人間様には、今や上も下もない。リタイアしたあとは尚更である。
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